タイトル「超越次元 だゾ」
(〜♪:祝日の午前中、リビングでまったりムードな野原夫妻)
ひろし「ふわぁ〜あ……」
みさえ「ちょっと、あくびしないでよ。私にも移っちゃうじゃないの……ふわあ……」
ひろし「んなこと言ってもよー……なにせシルバーウィークだぜ? 身体は休憩モードなんだよ」
しんのすけ「とーちゃん、シルバーウインクってなに?」
ひろし「それを言うならシルバーウィークだ。シルバーウィークってのはな、祝日が集まって大きな休みを生み出す……ま、ゴールデンウィークの親戚みたいなもんだ!」
しんのすけ「ほうほう」
ひまわり「だっ」
みさえ「すごいわよね、五連休だなんて」
俺「ほんとっスよね」
ひろし「はー……こんなにのんびりできるなら、毎月シルバーウィークが欲しいぜぇ」
しんのすけ「でもそしたら、とーちゃんが家でゴロゴロする日が増えるゾ」
みさえ「あら、それは困るわね」
ひろし「おいおい……」
俺「あちらを立てればこちらが立たずっスね」
ひろし「ま、とはいえせっかくの連休……どこか旅行にでもパーっと行きたくなっちまうな」
みさえ「あら、いいわね。私は温泉に行きたいわ」
しんのすけ「オラは遊園地!」
ひまわり「ダー! チャーア!」
俺「みんなで日本酒飲みに行きませんか?」
ひろし「うーむ……よし、じゃあ間を取って、バーベキューへ行こう!」
みさえ「えー? どこが間なのよ」
しんのすけ「実はビールを飲みたいだけなんじゃ?」
ひろし「ギクッ」
みさえ「じーっ」
ひろし「いやいや……車で行くから飲まねえよ」
俺2「アッ、次元ノ渦ダ」
(リビングの天井に渦巻きが発生し、空間が歪み始める)
ひろし「うおっ!? なんだこりゃ!?」
みさえ「キャアアアアア! なによこれ!」
俺「みんな、俺に捕まってください」
しんのすけ「こんな時こそ! 野原一家! ファイヤー!」
ひろし・みさえ・俺・俺2「ファイヤー!」
(リビングごと超次元に転移される)
ひろし「くそっ……なんなんだここは……宇宙みてぇに身体がふわふわ浮きやがる……」
みさえ「それに、空間のそこかしこに大きな画面があるわ!」
しんのすけ「おお〜……すごい、映画館みたいだゾ!」
ひまわり「ダーッ!」
俺「ここは超越次元です。我々が普段生活している三次元の世界より一つ次元が上に存在する世界。恐らく時空間のバグにより生じたあの次元の渦を通じて、この世界に飛ばされてしまったのでしょう。ここから戻る方法はただ一つ、もう一度次元の渦を発見すること。ただし、この超越次元は広大で、ひとたびこの世界に飛ばされると帰ることが出来たものは一人もいないと言われています」
ひろし「うおっ、あそこのスクリーン、隕石が降ってる映像が映ってるぞ!」
みさえ「あっちの画面には、車が何台も走ってる映像が流れてるわ!」
しんのすけ「向こうには……キレイなお姉さんが映ってるゾ!」
ひまわり「ダー! チャーア!」
俺「あっ、あそこに映ってるの俺の同級生っス」
ひろし「くそう、わけわかんねえとこに飛ばされちまったぜ……ん?」
スクリーンの奥、何やら黒い歪みみたいなものを見つけたひろし
ひろし「あれだ! 確か、あの黒いのが現れてから、ここに飛ばされたはず……」
俺「そんなバカな。こんな簡単に、次元の渦が見つかるはずが───────」
みさえ「っていうことは、もう一度あの近くに行けば、元に戻れるかもしれないってこと!?」
しんのすけ「よーし、オラが取ってくるゾ!」
ひろし「とっ、取ってくる!? って、おい!」
次元の渦に向かって突進するしんのすけ
みさえ「キャアアアアア!」
ひろし「し、しんのすけーーー!!」
ひまわり「チャア!」
しんのすけが次元の渦に触れる
その瞬間
ゴゴゴゴゴゴ……
しんのすけ「おっ?」
ひろし「な、なんだ? この音は」
俺「これは、しんのすけ君が次元の渦に触れたことによって発生した“次元胎動”です。元の次元に戻ろうと、次元の渦がエネルギーを溜め込み、胎動しているんだ。ただし、安全に元の世界に戻れるかはわからない」
みさえ「しっ、しんちゃん!」
ひろし「しんのすけ!」
しんのすけの身体が次元の渦に包まれていく
しんのすけ「オラ……オラなんか、力が入らなくなってきたゾ……」
ひろし「そっ、そんな……」
俺「今わかりました、どうして次元の渦が現れたのか。次元の渦は、しんのすけ君を探しに来たんだ。彼が持つエネルギーを素材に、次元転移を行いたいから」
しんのすけ「お、オラ……もう……」
ひろし「しっ……しんのすけぇぇ!!!」
俺「野原一家のみなさん、今までありがとうございました」
ひろし「なっ……俺くん、一体なにを」
俺「俺が持つ能力で、俺としんのすけ君の位置を入れ替えます」
みさえ「で、でもそんなことをしたら俺さんは!」
俺「いいんです。俺は、みなさんと出会えて、初めて人の心に触れることが出来た」
俺2「モウ一人ノ俺……」
俺「あとは頼んだぞ、俺」
俺が物凄い速度で印を結び、次の瞬間俺としんのすけの位置が入れ替わる
しんのすけ「おっ?」
ひろし「しんのすけ!」
俺「じゃあな、しんのすけ君……いや、“この世界の俺”……」
パァアアアアアアア…………
(辺りが光に包まれる)
(〜♪:祝日の午前中、リビングでまったりムードな野原夫妻)
ひろし「ふわぁ〜あ……」
みさえ「ちょっと、あくびしないでよ。私にも移っちゃうじゃないの……ふわあ……」
ひろし「んなこと言ってもよー……なにせシルバーウィークだぜ? 身体は休憩モードなんだよ」
しんのすけ「とーちゃん、シルバーウインクってなに?」
ひろし「それを言うならシルバーウィークだ。シルバーウィークってのはな……」
おわり




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